LILE-TRiPPER5
「エレクトリック・ビーツで進化する電子の宴 E-TRiPPER」。
毎回レギュラーアーティストと多彩なゲストを迎えて渋谷の夜をエレクトロサウンドで飾っていたイベントも5回目の開催となった。
今回のE-TRiPPERの注目はレギュラーメンバーであるLILのメジャーデビューアルバム「LIPS IN LUSH」のリリースパーティーを兼ねたイベントになっている点。
さらに初登場であるAMWE(アムウィ)、初回のE-TRiPPER以来のとなるHALCALIがゲストアーティストとして出演し、LILのアルバムリリースに花を添えた。
さらにリハーサルと本編のライブの一部を様子をUSTREAM上で配信するなど、新たな試みにも取り組み、会場の渋谷duo music exchangeに集まった観客だけでなく、インターネット越しのユーザーへもライブの様子を届けた。そんなE-TRiPPER5の様子をレポートする。
AMWE(アムウィ)
E-TRiPPER5のオープニングアクトとして登場したのはAMWE(アムウィ)。クリエイター集団「KITSUNE」の目に止まり、日本だけでなくヨーロッパでも多くの注目を集めているAMWE。厚みのある重低音が響くサウンドは完成度が高く、存在感のあるヴォーカルが力強くフロアに鳴り響く。E-TRiPPER初登場ながらイベントの冒頭から強烈なインパクトのあるステージを披露した。
毎回枠にとらわれない様々なアーティストが登場させオーディエンスにインパクトを与え続けるE-TRiPPER。ある意味、今回の出演アーティストの中で最もE-TRiPPER的なステージがこのAMWEのライブだったと言ってもいいだろう。
JaccaPoP
E-TRiPPERのレギュラーメンバーとして2回目から出演しているJaccaPoP。E-TRiPPERファンにとっては既にお馴染みのアーティスト。
サウンドクリエーターSUNは機材をセッティングするとそのままMCを始め、「笑っていいとも」ノリの観客との掛け合いからのライブスタート。ステージ袖から登場し、軽やかにステージを飛び回るヴォーカルMIRUの振る舞いも見慣れた光景だが、新曲「ウルフガール(仮称)」で見せた観客と一緒にタオルを回すパフォーマンスなど、出演を重ねるごとにフロアとの一体感が増していっている。この日のセットリストは4曲ともう少し聴きたい気分だったが、途中のMCはそれを補って余りある内容だった。
この日は全身をユニクロでコーディネートしたというSUNの本当かウソか分からないネタが盛り上がり過ぎたせいでライブの予定時間をオーバー。MIRUの愛嬌たっぷりの「ごめんなさーい」でMCを締めた後、ラストに披露された「Search Lighter」は新発表のバラードアレンジ。ポップさを前面に出したいつものJaccaPoPの新しい一面が見られた好ライブだった。またMIRUは舞台転換中のDJとしても登場。普段はSUNがブースに立つことが多いJaccaPoPの中では珍しいシーン。MIRUは自慢の(?)腕をふるいフロアを存分に湧かせていた。
Sweet Vacation (1/2)
E-TRiPPERを主催するSweet Vacation。今回はアルバムをリリースしたLILにトリを任せ少し早めの登場となった。
この日のステージはスイバケファンの中で「フルバケイション」と呼ばれるDaichi、Mayに加えギターの池橋壮一(THE JETZEJOHNSON)、バックダンサーのバケイションシスターズ、VJのSugimotoを揃えた豪華な顔ぶれ。ステージ背後に写されたスクリーンにパソコンの起動画面からスタートするE-TRiPPER仕様のオープニングも毎回バージョンアップされ観客を飽きさせない。
Mayはリバティプリントの短いワンピースに白のニット、頭にはバンダナの結び目を立てたいかにも春らしい装い。Daichiや他のバックメンバーが比較的黒を基調にした出で立ちの中でMayの姿が特に華やいだ印象を受けた。
Sweet Vacation (2/2)
またこの日はMCで7月14日にセカンドアルバム「Re;未来派宣言」のリリース、そしてそれを記念した東京・大阪のワンマンライブの開催が発表など重大ニュースが次々に発表され2010年夏に向けて本格稼動を予感させるステージとなった。
ヴォーカルMayが南国タイ出身であるせいかもしれないが、Sweet Vacationには夏のシーンがよく似合う。この日披露された、おそらくセカンドアルバムにも収録されるであろう新曲「Goody Goody」もスイバケのポップチューンど真ん中のサウンドにDaichiとMayのヴォーカルが織り込まれた楽曲。初めて耳にした観客も多かったと思われるナンバーでもノリは最高潮。2ヵ月後のアルバムのリリースが待ち遠しくなるライブだった。
HALCALI
E-TRiPPER5もライブが残り2組となったところでHALCALIが登場。パステルカラーのカジュアルな衣装に身を包んだHALCAとYUCALI。年齢的にはE-TRiPPER5全アーティストの中でも若い方の二人もアーティストとしてのキャリアは1、2を争うベテラン(?)。そのキャリアを存分に感じさせるステージで一曲目の「YES」から観客をHALCALIワールドに引き込んでいく。
実はHALCALIの二人は第一回目のE-TRiPPERでも出演しており、今回は約一年半ぶりの再出演。一回目は会場も2回目以降の会場渋谷duoではなく代官山UNITだったE-TRiPPER、MCでも「(Sweet Vacation)Mayちゃんの日本語が上手くなってた〜」と前回出演時を振り返ったエピソードを語っていた。そんなHALCALIの二人は5月26日に2枚組のニューアルバム「TOKYO GROOVE」をリリースする。ライブでも「TOKYO GROOVE」収録曲が次々披露され、さながらアルバムプレリリースパーティーのような内容だった。そんな中でも「ZIG ZAG SATURDAY NIGHT」では初披露かつ、激しい振りつき曲にもかかわらずフロアは即座に反応。E-TRiPPER5を通じても指折りの高い一体感を見せた。ラストはライブ定番「春狩道 ~19の夜~」で満足度の高いライブを締めくくった。
LIL (1/3)
2010年3月3日にアルバム「LIPS IN LUSH」でメジャーデビューを果たし、この日のE-TRiPPER5で待望のリリースパーティーを迎えトリとしてライブを行ったLIL。
E-TRiPPERファンであればその実力は周知のことだろうが、iTunesでリリースした曲が立て続けにエレクトロニックチャート1位を獲得、トラックメイキングやアレンジワークをバックボーンに持つTSUGEと4オクターブの音域を持ち、それを自在に操る圧倒的な歌唱力を持つヴォーカルucioという二人のサウンドはメジャーデビュー前から業界関係者からも多くの注目を集めていた。
スクリーンに「LIL」のロゴが映し出されるとまずはTSUGEが一人で登場。観客を煽りステージを一周するとバックのブースについてのソロプレイに否が応にもライブへの期待感は高まっていく。そしていよいよ二人のダンサーを従えてucioがステージイン。E-TRiPPERの中でも大人っぽくそしてひと際きらびやかなステージを繰り広げるLIL。「アルバム全曲やります」と事前にtwitter上で公言していたucioも一曲目の「me, too」からライブは全開だ。
LIL (2/3)
TSUGEのエッジの立った攻撃的なトラックは圧倒的で、ともするとヴォーカルさえも押しつぶしてしまいそうな迫力があるが、ucioの高いヴォーカルスキルがメロディとグルーヴが歌の存在感をはっきりと打ち出している。ぶつかり合うような緊張感とそこから生まれるシナジー、それがLILの魅力ではないだろうか。
「SUPERSONIC」「"MOSHI MOSHI" RADIO」と次々にキラーチューンをプレイするとucioが一度ステージから去り、ダンサーによるショータイムを挟む凝った演出。再びucioがステージに戻ってくるとこれまでのアッパーなテンションがガラリと変わり、LILのライブでは珍しい落ち着いたトーンに。そんな空気の中からプレイされたのは「フラッシュバック・ラブ」。アルバム「LIPS IN LUSH」の中で最もメロディが引き立つ「フラッシュバック・ラブ」はucioが昔の友人に向けて綴った歌だという。観客もucioの歌声に耳を奪われていた様子で、タテノリ志向のE-TRiPPERのライブとしては珍しい光景だった。
LIL (3/3)
そしてクリエイティブグループ「KOZM(R)」のリミックスでも話題を読んだ「DANCE on The FLOOR」が披露される頃にはイベントもクライマックス、観客の盛り上がりもピークを迎えていた。ブースを離れたびたびフロアを煽っていたTSUGEはついに客席へダイブ(おそらくE-TRiPPER初の出来事!!)。
ラストの「LESSONE ONE」までそのテンションは収まることなく、ライブ終了後もTSUGEがステージを降りて観客とハイタッチするなど「LIPS IN LUSH」のリリースパーティーを観客と共にいつまでも祝っていた。
5回目という節目を迎えたE-TRiPPER、次回の開催は現在未定だという。E-TRiPPER6として再び開催されるのか、進化した別の形となるのか。出演アーティストのファンはもちろん、E-TRiPPERファンも今後の動向を見守っていこう。




